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ITビジネスは儲かるのか?

ハーバード白熱教室で講師を務めたマイケル・サンデル教授の著書“これからの「正義」の話をしよう”を読み終えた。

大半は興味深い事件とその見解をめぐる話でスラスラ読めたが、最後の方は難しい内容になり、かなり読みづらかった。

人が「正しいこと」を決めるのはとても難しい。

人は一人一人違い、万人の利益になるようなことはないからだ。

以前、ある人と意見の違いから仲たがいをしてしまったことがある。

彼は「すべてのことは数値化することができ数値によって判断すべきだ」と主張し、

「数値の低い人(生産性の低いダメ人間)をしごくことで生産性をあげ、弱者の基準に合わせるのではなく強者の基準に上げていくべき」と言った。

彼は人それぞれ持って生まれた個性を認めず、

「数値が低いのはがんばっていない証拠。がんばらないから数値があがらない」

と主張し、がんばらない人と認定する人を積極的に排撃していた。

彼の座右の銘は

「できないではない。やらないのだ。24時間死ぬまで働け」

そんなことを言う彼であったが、

一方、自分が苦手なことは一切やらない男でもあった。

得意なことだけやり、それで数値がすべてだと主張していたのだ。

そして彼のズルいところは、自分が得意な分野が評価される場所に常に身を置くことで自分の数値を高く保っていたことだ。

正義を主張する人たちには彼のようなタイプが多い。

自分にとって利益になることは正義で、害になることは悪。

こんな人がいくら集まり議論しても、結局、何が正義かなんて決められはしない。

かつてイギリス人のベンサムは絶対多数の絶対幸福を主張した。

今の世の中は、この絶対幸福をお金という数値で表し、集団のそれを最大化させることを目指す方向に発展した。

前出の彼の言葉を借りれば「生産性の増大」である。

「生産性を最大化することが正義」

これは単純明快で分かりやすい正義なのだが、幸福をお金で数値化することに無理が出てきた。

衣食住がたりるまではお金は必須であり、衣食住がたりたあとでも、エアコンが欲しいとか車が欲しいとか、快適な生活をおくるにはそれなりのお金が必要。

だが、それを超えたお金はあまり幸福度には貢献しないことが分かったからだ。

お金以上に、気の合う仲間、仕事のやりがい、自由な時間などが幸福度を高める。

絶対多数の絶対幸福の次に出てきたのは、カントなどが主張した人間の理性により正義を決める論なのだが、これがまた理性と考えるものが人それぞれ違うのでらちが明かない。

いくら話し合っても何が正義なのか一致をみることができない。

それに人が「正義だ」と言っても、それが物理の法則に反し人類を滅亡へと導くこともある。

人の理性を頼りに正義を決め国づくりしようとするアメリカは、正義を巡って右往左往し前に進めなくなってしまっている。

イスラムの国などでは「人は正義を決めることができない」ことを前提にして正義を考える。

正義を決めるのは神(アッラー)であり、神の言葉たるコーランが正義の基準である。

「正義は人が考えることではなく、神から与えられるもの」

「人は何が正義かを考えた時、自分の頭で”これが正義だ”と決めるのではなく、神の言葉を調べ何が正義か知る必要がある」

そのため、コーランを絶対的な法典とし、スンナなどの解釈書により神がどう判断したかを巡って議論するのだが、コーランで明確に禁止されている同性婚などは最初から否定されてしまう。

日本もどちらかといえばアメリカよりイスラムの国に近い。

日本の場合はコーラン(神の言葉)ではなく常識(人の持つべきとされる規範)。

日本人は常識というあやふやだけどみんなが持ってしかるべきものによって正義を判断してしまい、それに反する人は非常識として却下する。

だから同性婚などの問題は「キモイ」とか「非常識」として最初から議題に登らない。

哲学は人間の叡智ではあるが、哲学の話を聞いていると、考え考えた末、結局、聖書など聖典に書かれている神の言葉に近づくが、神の言葉ほど完成されていない。

考えるのは趣味であり、とうてい神を超えることはできない。

人があれこれ理性で考えたことより、神の言葉をすなおに聞く方が繁栄の道となる。
Leading Seminar Japan 2018というセミナーに出ている場合ではない。

アメリカの無駄に多い議論を読むと、神の言葉や常識で判断してしまうイスラムの国や日本の方が優れているような気がしてならない。

聖書のコロサイ人への手紙にこんな聖句がある。

あのむなしい、だましごとの哲学によってだれのとりこにもならぬよう、注意しなさい。

それは人の言い伝えによるもの、この世の幼稚な教えによるものであって、キリストによるものではありません。

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